こんにちは。飲食店を開業して経営しているジュエルと言います
人を雇った際に、必要になる「源泉徴収税額」のお話です!
何か小難しそうな話に聞こえますが、覚えてしまえば何てことありません!!
そもそも「源泉徴収」とは
給与や報酬を支払う事業者が、「所得税」をあらかじめ差し引いて
国へ納付する制度のことです(事業者が個人に代わって支払う仕組み)
これにより、給与を貰った個人が自ら「所得税」を計算して納めなくて良いので
「手間」と「税徴収」が効率的に行われる仕組みになっています
事業者は、給与を支払うたびに「源泉徴収税」を差し引く必要があります!
どのように、源泉徴収税額を算出すれば良いのか?
そんなお話です!
それでは、始めて行きましょう
源泉徴収税額表には3種類ある
源泉徴収税額表には、3種類の税額表に分かれています!
税額表 | 給与の支払い方法 |
---|---|
日額表 | ・毎日支払う ・週ごとに支払う ・日割りで支払う |
月額表 | ・月ごとに支払う ・「10日ごと」又は「半年ごと」に支払う ・月の整数倍の期間ごとに支払う |
賞与 | ・賞与 (以下の場合は「月額表」をしようする) ・前月中に給与の支払いがない場合 ・給与が前月分の10倍を超えている場合 |
給与の支払い方法によって、使う税額表が違うので
しっかり確認しておきましょう!
源泉徴収税額表の見方
使用する方が多いと思うので「月額表」の見方を説明して行きます!!
源泉徴収税額表の見方は、基本的には簡単です!
「縦軸」と「横軸」の交わる所が、源泉徴収税となります
例えば、こんな感じです
問題は、何処を見るか!
で変わってしまうので、注意が必要です!!
仮に、勘違いしていて「間違った源泉徴収税額」を差し引き納付していても
年末に年末調整を行うので、間違っていた金額は正され
多ければ「還付」され、少なければ「追徴」されることになります
他人のお金のことなので、出来るだけ間違いが無いように気を付けてあげましょう!!
源泉徴収税額表の「甲」と「乙」の違い
源泉徴収税額表の一番上の横軸に「甲」と「乙」の項目があります
「甲」と「乙」では、税額が大きく変わるので間違えないように気を付けましょう!
甲
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出した人
「主たる給与」の場合、甲に該当します(本業)
乙
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しなかった人
給与が「2か所」以上の場合、「主たる給与」か「従たる給与」によって
「甲」か「乙」かに分かれます!!
「従たる給与」の場合、乙に該当します
「従たる給与」とは、「主たる給与」以外での給与を言います!(副業など)
源泉徴収税額表の「横軸」を確認!
甲の項目の下に、「扶養親族等の数」「0人~7人」の項目があります
単純に「扶養人数」と思ってしまいますが
「扶養人数」ではなく、「控除数」なので注意が必要です!!
この従業員が受けられる控除の数が、何個あるのか?
それによって、税額が大きく変わってくることになります
「人」となっているので、ややこしいですが間違えないように気を付けましょう!!
主な控除項目
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 障害者控除
- 勤労学生控除
配偶者控除
配偶者控除とは、納税者に「配偶者」がいる場合に受けることのできる控除です!
配偶者控除を受けるには、控除を受ける年の12月31日時点で
5つの条件を全て満たす必要があります!
- 法律上の婚姻関係にある夫婦であること
- 納税者と生計を一にしていること
- 青色申告者の事業専従者としてその年に一度も給与を受け取っていない、もしくは白色申告者の専従者ではない
- 配偶者の年間合計所得金額48万円以下(給与収入がある場合、年収103万円以下)であること
- 「納税者の年間合計所得金額が1000万円以下」であること
配偶者特別控除
配偶者特別控除とは、配偶者の年間合計所得金額が48万円を超えてしまった場合でも
条件の範囲ないで、特別に受けられる控除です!
もちろん、収入に応じて控除金額が少なくはなっていきますが
年間合計所得金額が48万円を超えたら、0と言うわけではないので安心してください!
配偶者特別控除を受けるには、控除を受ける年の12月31日時点で
5つの条件を全て満たす必要があります!
- 法律上の婚姻関係にある夫婦であること
- 納税者と生計を一にしていること
- 青色申告者の事業専従者としてその年に一度も給与を受け取っていない、もしくは白色申告者の専従者ではない
- 配偶者の年間合計所得金額48万円超133万円以下(給与収入がある場合、年収103万円超201万円以下)であること
- 「納税者の年間合計所得金額が1000万円以下」であること
「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の条件の違いは、配偶者の年間合計所得金額だけです!
扶養控除
扶養控除とは、納税者に「扶養親族」がいる場合に受けることのできる控除です!
扶養親族となるには、控除を受ける年の12月31日時点で
5つの条件を全て満たす必要があります!
- 年齢が16歳以上であること
- 配偶者以外の親族(6親等以内の血族および3親等以内の姻族)であること
- 納税者と生計を一にしていること
- 年間の合計所得金額が48万円以下(給与収入の場合、年収103万円以下)であること
- 青色申告者の事業専従者としてその年に一度も給与を受け取っていない、もしくは白色申告者の専従者ではない
寡婦控除
寡婦控除とは、納税者本人が「寡婦」であり
所定の要件を満たした場合に、受けることのできる控除です!
「寡婦(かふ)」とは、夫と死別または離婚をした後、再婚をせずに独身でいる女性を言います
逆に、妻と死別または離婚をした後、再婚せずに独身でいた男性は「寡婦控除」の対象外です!!
以前は、「寡夫控除」があったのですが、令和2年分から「ひとり親控除」に変更されました
寡婦控除を受けるには、控除を受ける年の12月31日時点で
条件を満たす必要があります!
- 「ひとり親」に該当していないこと
- 夫と離婚をした後婚姻しておらず、「扶養親族」がいる人で年間合計所得金額500万円以下の人
- 夫と死別をした後婚姻していない人、または夫の生死が明らかでない一定の人で年間合計所得金額500万円以下の人
「夫」とは、法律上の婚姻関係にある人を指します
内縁関係の「夫」では、対象にはなりません!!
ひとり親控除
ひとり親控除とは、婚姻せずに子供を育てている「ひとり親」を対象とした控除です!
所得などの要件を満たせば、男女問わず「ひとり親制度」を受けることができます
ひとり親控除を受けるには、控除を受ける年の12月31日時点で
3つを条件を全て満たす必要があります!
- 婚姻歴に関係なく、現時点で婚姻していないこと(配偶者がいても生死が不明な人)
- 生計を一とする子供がいること(年齢制限なし)
- 納税者の年間合計所得金額500万円以下であること
この場合の子供は、控除を受ける年間所得金額48万円以下
他の人の「同一配偶者」や「扶養親族」になっていない人に限られます!!
障害者控除
障害者控除とは、納税者「本人」または「同一生計配偶者」や「扶養親族」が
所得税法上の障害者に当てはまる場合に、受けることができる控除です!
障害者控除を受けるためには、まず障害の存在を公的に認められている必要があります!
障害者手帳の交付を受けることで証明できます
- 身体障害者手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
- 療育手帳
- 戦傷病者手帳
- 原爆被害者健康手帳
手帳だけではなく
市町村などで「障害者認定」を受けた場合でも、障害者控除の対象と証明されます
また、障害者手帳の交付申請中などの場合は
その申請書が受理される証明書類を提出することで、障害者控除を受けることができます
勤労学生控除
勤労学生控除とは、働きながら学校に通う学生の税負担を期限する控除です!
勤労学生控除を受けるには、控除を受ける年の12月31日時点で
3つを条件を全て満たす必要があります!
- 給与所得などの勤労による所得があること
- 年間合計所得金額75万円以下、かつ勤労以外の所得が10万円以下
- 特定の学校の生徒であること
勤労学生控除には、注意が必要で扶養者の「扶養控除」から外れることで
扶養者の税金が増えることがあることです!
家庭全体からすると、納める税金が増えるケースもあるので
扶養者と良く考える必要があります
もともと「扶養控除」から外れている場合でも
注意が必要で「所得税」「住民税」では
「税金がかかるラインが異なる」ことと「控除額が異なる」ことです!
学生がアルバイトなどで生計を立てている場合で、「勤労学生控除」を利用すると
年間130万円以内ならば、「所得税」はかかりませんが「住民税」はかかってしまいます!
地域によっても違うので、良く調べた上で上手く利用しましょう!
源泉徴収税額表の「縦軸」を確認!
源泉徴収税額表の「縦軸」には、「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」を算出します!
給与のどの金額か?
間違えやすいので注意しましょう!!
給与
- 「基本給」+「○○手当」+「通勤手当」=「総支給額」
- 「総支給額」ー「社会保険料」ー「税金」=「差引支給額」
このような給与計算方法で、給与が支給されていると思います!
「縦軸」の金額
「総支給額」ー「通勤手当」ー「社会保険料」で算出します!
通勤手当
一定の範囲内であれば「非課税」なので「総支給額」から引く必要があります!
一定の範囲を超えた場合は、「非課税分」だけ差し引きます!
「総支給額」には、非課税の「通勤手当」が含まれているため
差し引く必要があるってことだよ!
社会保険料
「健康保険」「介護保険」「厚生年金」「雇用保険」を差し引きます!
パートやアルバイトの場合は、社会保険に加入していないので「雇用保険」のみを差し引きます
パートやアルバイトでも、計算方法は一緒です!(給与の支払い方法によって、見る表が変わります)
パートやアルバイトでは、2ヶ月以内の雇用条件が短い場合は「日額表」を使用するよ!
まとめ
源泉徴収税額表の見方は、給与の方法によって「見るべき表」が異なります!
「月額表」を例に、今回は説明いたしました!
【縦軸の課税給与額】と【横軸の「甲」控除数または「乙」】の交わる所が
「源泉徴収額」になり、給与から差し引くことになります!!
差し引いた金額は、個人に代わり「事業者」が納税しなければなりません
最終的に、年末に年末調整を行いますので
正しい金額が納税されているのか?
再確認されることになり、納税額が多ければ「返還」され
足りなければ「追徴」されることになります!
他人のお金の話なので、出来るだけ間違わないように気を付ける必要があります
事業者は、人を雇えば必ず源泉徴収税を差し引き、納税する義務があります!!
それは、パートやアルバイトも同様です
源泉徴収税額表の見方を、マスターしておきましょう!!!
健闘を祈ります